競泳未経験者の場合、水泳の大会を見ても、何を見ればいいかわかりずらいですよね。
・大会で応援する際に、どこを見ればいいの?
・速い選手の親はどこを見ているのだろう
レースが終わってタイムが表示され、それが早かったのか遅かったのかくらいしかわからない。
経験者である親は何か色々見ていそう。
本記事では、競泳未経験者の親でもわかるよう、どこに着目して見れば、子供のタイムを伸ばすことにつながるか解説します。
競泳未経験者の私も、6年以上大会観戦を続ける中でどこに着目すればいいかわかりました。
ここは見ておきたい10のポイント
- ゴールタイムを確認(目標タイムを切ることができたか)
- ラップタイムを確認(前半と後半のタイム差)
- 飛び込みの反応はどうか
- 飛び込みから浮き上がりはどうか
- ターンのタイミングは合っているか
- ゴールタッチのタイミングは合っているか
- 目指す大会の標準記録までどれくらいか
- 前回の大会からどれだけタイムが伸びたか
- 複数種目出場する場合は狙った種目で記録が出せたか
- ライバル・チームメンバーの泳ぎはどうか
本記事ではこれらの内容を詳しく説明します。
記事を最後までご覧いただき、大会観戦に詳しくなってくださいね。
1 ゴールタイムを確認(目標タイムを切ることができたか)
まず最初に確認することはゴールタイムです。
大会前に目標タイムを設定し、クリアできたかを確認しましょう。
タイムが伸びているか、それとも伸び悩んでいるかによって、今後の練習の目標が変わってきます。
大会観戦時は、事前に過去のベストタイムを一覧で確認できるようにしておくと良いです。
公式記録は次の2つのサイトで確認できます。
確認方法は次の記事で紹介しています。
また、タイムだけに注目するのではなく、レース中の様子も合わせて観察することが大切です。
例えば、終盤で大きく失速していたり、スタートからずっとトップをキープしていたりなど、タイムだけでは分からない情報もたくさんあります。
苦手だった後半を粘ることができた等、成長を感じるところはありますよ。
2 ラップタイムを確認(前半と後半のタイム差)
レース中のラップタイムを確認することで泳ぎのどこに課題があるかがわかります。
一定距離の途中の時間のこと
25m単位や50m単位で計ります。
長水路(50mプール)や短水路(25mプール)によっても違います。
前半と後半でタイム差がある場合は、持久力やペース配分に問題があるかもしれません。
例えば、前半から飛ばしすぎて後半に失速している場合や、逆に前半から抑え気味で後半に伸び悩んでいる場合などが考えられます。
単純に割ると25mを16秒で泳ぐことになります。
しかし、前半は飛び込みがあったり、後半は失速したりを考慮する必要があります。
後半50mは1秒タイムが落ちることを想定すると前半は15秒台、後半は16秒台で泳げば目標を切ることができます。
つまり・・・
もし実際のレースで後半2秒以上タイムが落ちると、持久力やペース配分に問題があることになります。
低学年の頃は、50m種目でも後半失速することが多かった
50mをダッシュで泳ぎ切る爆発力と持久力が課題だったね
好タイムが出た場合もタイムが伸び悩んだ場合も、ラップタイムを見ることで、どの部分に課題があるかがわかります。
ラップタイムを見ることで、子供の泳ぎの傾向を把握し、改善点を見つけることができます。
3 飛び込みの反応を確認
飛び込みの反応の速さを確認すると、スタートの上手さがわかります
スタートの合図が鳴ってから、反応するまでのタイムのことをリアクションタイムと言います。
記録が出たらリアクションタイムを確認しましょう。
このくらいなら良い反応
大会記録にRT(リアクションタイム)と表示され、0.6〜0.7秒台で反応できていれば十分速いと言えるでしょう。
リアクションタイムが遅い場合は、コーチと相談して反応をよくする練習を行うと良いでしょう。
慣れてくると安定して0.6秒台で反応できるようになりました
また、飛び込み時にストリームラインが描けているか確認しましょう。
手の先から足の先まで一直線に描けることです。
ストリームラインがしっかり取れていて、入水角度が30°〜45°で、手の先から足の先まで同じ場所から入る一点入水を心がけましょう。
4 飛び込みから浮き上がりはスムーズにできているか
飛び込みから浮き上がりの動きがスムーズになると、全てのレースでタイムが伸びます。
ドルフィンキックが上手でないと浮き上がる前に呼吸が苦しくなってしまい、短い距離で浮き上がってしまいます。
逆に飛び込みが浅すぎると、飛び込みの勢いがあるまま手を掻き出すので勢いを活かし切ることができません。
こんな場合は要注意
- 浮き上がりが非常に早く飛び込みの勢いを活かしていない
- 浮き上がりが遅く、浮き上がった時には出遅れている
飛び込んだ後は数回ドルフィンキックを打ち、徐々に浮き上がります。
ドルフィンキックがうまくできない時は、すぐ浮き上がってかき始めた方がタイムが出るので、すぐ浮き上がってきます。
手をかく回数が増えるので後半バテることが多かった。
ドルフィンキックの練習をして水中でキックを打てるようになってから浮き上がりまでの距離が伸び、タイムが一気に縮まりました。
ドルフィンキックを上達させるためにコーチお願いし練習に取り入れてもらいました
50m種目の場合は、飛び込みの影響が大きいため重要になります。
5 ターンのタイミングは合っているか
タイミングよくターンができると主に短水路の大会でタイムが伸びます
壁を蹴るタイミングや、ターン中の体の回転などがスムーズに行えているかを確認しましょう。
ターンが上手くなるとこんなメリットがある
- 短水路の大会では、ターンの回数が多くなるため、ターンの技術によりタイムが大きく伸びる
- 小学生のうちはターンが上手くできない子が多いので、ターンで差がつく
- ターンの練習をするとターン時の失格のリスクが減る
ターンが上手くないと、せっかくリードして泳いでいても、ターンで抜かれてしまいます。
ターンで抜かれて悔しい思いを何度もした
タイミングよくターンすることと、ターン後のドルフィンキックによる推進です。
また、ターンの練習が少ない場合、大会本番の慣れない環境では次のようなことが起こります。
・水深が深く進む感覚が普段と異なるので、壁までの距離を見誤る
・早めにターンに入ってしまい、壁に足が届かず失格
せっかく頑張って泳いだのに失格になれば本人のショックも大きいです。
普段からターンの練習を繰り返し行い慣れておくことが大事ですね
6 ゴールタッチのタイミングは合っているか
タイミングを合わせたゴールタッチでコンマ何秒を縮めることが可能です。
特に平泳やバタフライはあと一かきするか、そのまま伸びるか判断が分かれます。
慣れないうちはタッチのタイミングを合わせることも難しい。
バタフライのタッチタイミングが合わずに、顔面が壁に当たりそうになった
5メートルラインを超えてから何かきでゴールできるか普段から決めておき、その日の調子に合わせてアップの際にタイミングを合わせると良いでしょう。
あと0.3秒縮めたいなど、コンマ何秒となるとタッチを気にする必要が出てきます。
50m種目はスタート・浮き上がり・ターン・タッチの技術でタイムが大きく変わります。
上の大会を狙う場合、タッチのタイミングも合わせられるよう意識していきましょう。
7 目指す大会の標準記録までどれくらいか
次の目標とする大会の標準記録までのタイムがわかると、次にやるべきことがわかります
過去のタイムと合わせ、目標標準記録を確認しておきましょう。
必要なタイムによりやるべきことが変わります。
レースの結果を踏まえ、あとどれくらい縮めれば良いかを子供と一緒に考え、足りない部分を補うようにしています
親として対応できることの例
- 食事を変える
- 生活リズムを整える
- 練習後のアフターケアなどで疲れを残さない
- 声がけなどでモチベーションを高める
目標達成に向けて、どのような練習メニューに取り組めば良いか、コーチと相談してみるのも良いですね。
8 前回の大会からどれだけタイムが伸びたか
前回の大会からのタイムの伸びがわかると子供の成長がわかります。
試合前に過去の記録を確認しておきましょう。
周りが伸びていたり、目標のタイムに届かなくても、前回大会に比べてタイムが短縮されていれば、前回からの頑張りとなります。
声がけする際も、前回の自分から伸びた部分を褒めてあげると子供も喜び自信になります。
子供のタイムを過去から並べグラフにすることで見える形になります。
簡単に見えるようにしたければ、Results of Japan Swimmingから抽出。
公式記録の推移を見ることができます
出場大会数がまだ少なければ、Excelなどを使ってグラフにすると見た目もよく作ることができます。
表を印刷してくれたのは嬉しくてやる気が出る
印刷して渡すと喜んでノートに貼ったり、自分で見返したりしていました。
9 複数種目出場する場合は狙った種目で記録が出せたか
狙った種目で記録が出せていれば、種目の選び方や種目数が合っていることがわかります。
複数の種目にエントリーしている場合は、どの種目で目標とした記録が出せたかを確認しましょう。
複数種目出ると、後半出場種目は体力的にキツくなります。
種目数が多い場合は、あらかじめ、どの種目を本命種目とし、そこに向けてどうレースを作っていくかを親も一緒に考えると良いでしょう。
後半種目のタイムが急激に落ちる場合は、種目数が多いか、エントリー種目の負荷が重いです。
バタフライや長距離種目は疲れてその後の種目に影響するから、外すか、競技順の最初の方にある時に選ぶようにしている
次回のエントリー種目を選ぶ際の参考にすると良いでしょう。
複数の種目を泳ぐことでタフさが身につくので、年に何回かは多種目エントリーしています
また、決勝レースに残れるようになると、予選・決勝と1日に複数回泳ぐ必要が生じます。
将来は1日に何本も泳ぐことになりますので、早いうちから複数レースに出る経験を積んでおくと良いでしょう。
10 ライバル・チームメンバーの泳ぎはどうか
同じチームの仲間や、他のチームの選手たちの泳ぎを観察することで、自分の子供の泳ぎとの違いからタイムを縮めるヒントを得ることができます。
実際に泳ぎを比較すると、飛び込みの勢いがいかせていない、ターンが上手くないなど、気づくことがあります。
子供の伸びしろがある部分は親が客観的に見てフィードバックしてあげると良いでしょう。
・同学年の選手と比べ、ターン時に差がつくことがわかりました。
・コーチと相談しターン時の失速を対策する練習を増やしてもらうことに。
・ターンの苦手意識が取れ、短水路のレースでタイムが伸びました。
ターンを強化すると全てのレースでタイムが早くなります。
また、チームメンバーの泳ぎもチェックしておきましょう。
泳ぎの良かったところをフィードバックすることで、仲間のモチベーションも上がります。
泳ぎの良いところをフィードバックをしてくれる人は意外といないので、喜んで聞いてくれますよ。
チームメンバーの雰囲気が良くなると、チームとして成果が出やすくなります。
まとめ
子供のタイムを伸ばすために、観戦時に見るべきポイントを紹介しました。
見るべき10のポイント
- ゴールタイムを確認(目標タイムを切ることができたか)
- ラップタイムを確認(前半と後半のタイム差)
- 飛び込みの反応はどうか
- 飛び込みから浮き上がりはどうか
- ターンのタイミングは合っているか
- ゴールタッチのタイミングは合っているか
- 目指す大会の標準記録までどれくらいか
- 前回の大会からどれだけタイムが伸びたか
- 複数種目出場する場合は狙った種目で記録が出せたか
- ライバル・チームメンバーの泳ぎはどうか
小学生のうちは、全力で泳ぎ切ることで精一杯です。
・自分のレースを振り返り、次に向け課題を立てることは一人では難しいことが多い
・コーチは大会競技役員を担当する場合もあり、全てのレース内容を事細かに見ることは難しい場合もある
・親が振り返りをすると、家庭環境面で改善できることがある
親の目線でレース全体を確認し、良かった点・頑張った点・課題などをフィードバックし共有することが効果的です
大会の緊張感の中泳ぐことは、想像以上にプレッシャーがかかりますし、体力を消耗します。
大会が終わったら、まずは泳ぎ切ったことを褒めてあげると良いでしょう。
家に帰って落ち着いたら、その日のうちにレースを動画で振り返り、良かったところ、今後できることを一緒に見ながら話をします。
自分の泳ぎを見るのは楽しいし、どこが良かったか話せるとやる気が出る
親がしっかり見ていて応援しているということを伝えることで子供のモチベーションにもなります。
次の大会に活かすつもりで大会を観戦すると、1日結構見るところが多いです。
有意義に大会を観戦していき、親子でタイムを伸ばしていきましょう。
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